先日、卒業生のA君のお母さんが弟さんを連れて日本学園の学校見学に来て、担任であった私の所にも寄ってくれました。A君は真面目で地道に勉強する生徒でしたが、残念ながら第一志望の大学には行けず、当初希望していたところとは違った学部となってしまい、私としてもその後元気にがんばっているかなと心配していた生徒でした。しかし、お母さんの話によると、A君が大学生活をしっかり送り、就職も決まったとのこと。有意義な大学4年間を過ごしたことが分かりほっと安心し、また努力家で真面目な彼ならきっとそのような有意義な学生生活を送るだろうと改めて彼の真面目な姿を思い出しました。
つまり、第一志望ではなくても、「自分が精一杯努力して合格した大学に行った」事が大切だったのだと思います。大学受験では、自分の思うようにならないことも多く、辛いことや苦しいこともあったと思いますが、それを乗り越えて合格したからこそ、自分を認めてあげられて、大学生活を大切に過ごせたのだと思います。
大学受験といえば、A君と同じ学年だったB君も印象に残っています。B君はずっと部活をやっていたので、受験勉強を始めたのも早い時期ではなかったのですが、意識を高く持って計画的に勉強していました。そのB君は、11月の最後の模試で、自分が思っていた以上に出来が悪く、ひどく落ち込んでいました。私は、押さえの大学から着実に受験していけば大丈夫だからと声をかけました。
その後、B君は1月のセンター試験ですばらしい点数を取りました。その後の私大入試でも、予想を上回る上位大学にも合格しました。模試が終了してからの1ヶ月間、B君はまさに血のにじむような努力をしたに違いないと思います。最後の模試の悪さで不安に押しつぶされそうになりながらも、それでも前を向いて必死に勉強したはずです。11月の模試の後にB君は「押さえの大学もある」ではなく「まだ勉強できる時間がある」と考えたのだと思います。B君は自分が精いっぱい頑張れるということを信じ、自分自身の飛躍を自分自身で期待し続けたのではないでしょうか。このことは、継続すれば本当に最後の最後まで学力を伸ばすことができるというのを実感した出来事でした。
A君もB君も、最後まであきらめない強い気持ちがあったからこそ、成し遂げられたことなのです。自分を信じて一生懸命に頑張れたという事実は、その後の生き方にも繋がっていくものだと思います。
再び、今ちょうど高校3年生を受け持っている私は、今の生徒達もA君やB君と同じように、自分の進学に努力を惜しまず真剣に向き合い、高校卒業後に力強い一歩を踏み出せるようにと心から願っているのです。