「ピカピカのッ♪1年生ッ!」
誰もが聞いたことのあるこの音楽と共に、セリフと合わせ腰に手をあて、小さな手が、晴れた空を指差し、ポーズをとる愛娘。昨年の運動会で踊る長女を観て、大きくなったな、としっかり親バカらしく感動して早くも一年が経つ。誰もが聞いたことがある、このセリフには、どこか懐かしさとワクワクさせる力がある。そんな一生懸命な小学校1年生の姿を見ると、夢と希望にあふれているなと感じる。
今年は、次女が幼稚園の年長となり、来年度に向けたランドセル予約の時期となる。最近では、赤が女性で、黒が男性といった考えは無くなり、様々なデザインとカラーがあるようだ。先月、立川に足を運び、ランドセルの展覧会なるものを見学したが唖然とした。デザインや内側の作り、カラー、そして何より値段…。以前から次女は、長女と同じ色のランドセルを懇願する中、真似をして欲しくないと話していた長女。展覧会に行くことで次女の意見は変わるかと思っていたが、中々お気に召さない様子で、妻と仕方あるまい、と思っていた。しかし、年度が変わると、どういう風の吹き回しか、次女の方から違う色のランドセルにすると切り出していた。女心と秋の空か。こんな言い方をすると世の女性に怒られそうだが、この言葉自体が“男心と秋の空”から派生した言葉、ということをさっきスマホで調べ驚いたところだった。
さて、昨今は多様性を求められている社会である。情報社会と呼ばれ、とてつもない情報が多い中、様々な考えや思想、取り組み、色々な人がいることが広まり、社会は様々な人たちがいて成り立っていることがわかる。SNSを利用し、世界へ発信、映像を元に広告を出すなど、多種多様な生き方が見受けられ、成功を収める人もいる時代だ。ランドセルのデザインと同じく、人それぞれの生き方や良さを十分に発信しやすい時代ともいえるのだろう。そんな中、今年は新入生の担任を務め、生徒たちと触れ合うと前向きではない発言も聞こえてくる。情報が多いということは当然、すべてがポジティブな情報ばかりではない。夢と希望が見えない話題も多くあり、ネガティブに感じている生徒も少なくはないのでしょう。ですが、私はそんなことはないと思っている。今は、一人一人にチャンスが多く、自ら行動することで得られることが多い時代、何かを生み出し、創り出すことで多くの人々から賞賛されやすい時代ともいえるのだ。その人のやり方次第ではあらゆる方法を屈指し、流行やニーズに応え、自身のやり方を発信、賛同が得られれば大成功することができる時代ということだ。日本学園が謳う創発学もそういった側面があるでしょう。
これから日本学園も大きな転機を迎えることになるが、そんな過渡期の中、一時代を築く今年の新入生たち。彼らに自ら考える力、自ら創り出す力を身に着けるための、三年間にするお手伝いができればと思う、今日この頃。以前、東京に行くと決めた時に、お世話になった先生からいただいたメッセージ“為せば成る”。
新入生諸君、やれるから自信を持って前を向き、自分に挑戦してみよう。あんなに大きかったランドセルが嘘かのように成長したのだから。やれる時代だ。“為せば成る”
前を向き、顔を上げ、さぁともに腰に手をあて、天を指さし叫ぼうではないか。
ピカピカのッ♪1年生ッ!